ひざの痛み

ひざの痛みの原因は様々ですが、大きく分けると診断名がつくものとつかないものに分けられます。

診断名がつくものの大半は、「変形性膝関節症」と呼ばれるものです。膝関節の関節軟骨や半月板がすり減ってクッションの役割を果たせなくなり、痛みを発症するというものです。

もう一つはレントゲン等の画像診断で異常が無いけど、つらい膝の痛みがあるというケースです。昔の怪我が原因とされる場合もあります。

整形外科での治療方法としては主に、リハビリや注射、痛み止めなどを行います。ひざに水がたまってしまっている場合には水を抜いたり、変形が酷いと手術を勧められるケースもあります。

しかし、これらでいっこうに良くならないのはなぜなのでしょうか？

このケースは、非常に多くみられます。大腿四頭筋（だいたいしとうきん）という太ももの前の筋肉は、骨盤から始まって、ももの前を通り、膝のお皿を超えて、すねの骨にくっついて止まります。

大腿四頭筋は、始まる位置が違う４つの筋肉が集まっていて、それぞれがスムーズに伸び縮みしてくれると、膝の曲げ伸ばしもスムーズにできます。

この４つの筋肉のどこかに、縮んで硬くなった部分があると、スムーズに伸び縮みできなくなり、膝や股関節に過剰な負担がかかるので、膝の痛みとしてそれを知らせてくることがあります。

ではなぜ太ももの筋肉が硬くなるのでしょうか？

大腿四頭筋は、膝の曲げ伸ばしをする筋肉なので、動かすのが役目で、支える、キープするのが役目ではありません。

しかし、本職ではない、支える役目に使ってしまっているという方が、実は非常に多いのです。

□自然に立った時に、身体全体が前に傾いている
□膝を伸ばしすぎて、膝の裏を突っ張らせている
□つま先や膝が内側を向いたO脚になっている
□いつも片足に重心をかけて、力が抜けていない

こういった、姿勢や身体の使い方のクセ、そして無意識に緊張してしまうクセがあると、太ももの筋肉に、本来は必要ない力が入り続け、固まって動きが悪くなることがあるのです。

スポーツなどで靭帯損傷や半月板損傷をしたことがあり、手術などをして数年たっているのに、いまだに痛む場合も、ケガ自体ではなく、筋肉が余計に頑張るからということがあります。

このような視点から、当院では全身の関節と筋肉の配列や動き、緊張を調べて、調整します。

そのうえで、その状態を作った姿勢や歩き方など、動きのクセを、あなたと一緒に探して、改善のアドバイスまでしていきます。

また、同じような身体のクセがあっても、痛みがある人とない人の差は、いつも緊張して呼吸が浅いのか、適度にリラックスできているかの違いだったりもします。

その原因は、さまざまなストレス要因や、それに対する自分の捉え方、感じ方、対応の仕方という「思考のクセ」だったりもします。

ただ痛みをとってもらうより、なぜ痛くなるのか、どう付き合っていくのか、これを機にきちんと向き合ってみたい、そんなあなたには、当院にぜひご相談いただければと思います。