起立性調節障害（OD）

はじめに起立性調節障害について整理しておきましょう。

起立性調節障害は、自律神経失調症の一種で、何らかの理由で血圧の調整や睡眠と覚醒のリズムが乱れることで起こります。

小学校高学年～中学生頃に多く、他の病気との見分けがつきづらく、診断もつきづらい、まだまだ一般に認知が広がっていない病気です。

ひどい頭痛やめまい、だるさなどで、朝起きられず、だんだん起きられる時間が遅くなって、学校も休みがちに、やがて全く学校に行けなくなってしまう。でもなぜか夜には元気になって、なかなか寝付けない。

そのような症状で、最初は気持ちの問題とか、一時的なものだろうと思っても、さすがにおかしいと思って小児科や内科を受診。

はっきりした原因がわからず、心療内科を紹介されたりする中で、ネットや本などで調べて、起立性調節障害かもしれないと気が付くケースも多いです。

学校の教師でもこの病気を知らない方はまだまだ多く、怠けている、やる気がない、根性がないなどと勘違いして、善意から厳しい指導をしてしまうケースもあります。

ですが、実はこの病気になるタイプは、まじめで責任感が強く、ストレスを抱え込みやすい子供が多いので、厳しい指導により発奮するどころか、心に深い傷を負ってしまうこともあります。

起立性調節障害は、本人の努力や根性が足りないとか、ただ怠けているということではなくて、身体の機能がうまくいっていない状態です。

ですから必要なのは叱咤激励やアドバイスではなく、まずはこの症状のことを知り、理解した上で周りが協力してサポートしていくことです。

自律神経は、緊張とリラックスを切り替えて、排泄、消化、吸収、代謝、循環など、生きる上で基本となる重要な働きをしています。

「起立性調節障害」では、特に血圧や脈拍の調節がうまく行かないことが特徴です。

睡眠中リラックスした状態から、徐々に緊張モードに切り替わり、起床時には血圧がちょうどよく上がって、起きて活動するのが通常です。

ところが、朝になっても緊張のスイッチがうまく入らず、起きられない。

起きたとしても血圧が上がらないので上半身に血液が循環しない。

無理やり起きようとしても、活動するための酸素と栄養が足りないので、ふらつく、立っていられない、頭痛、腹痛など様々な症状が。

ただし午後になってくると、徐々に緊張スイッチが入ってくるので、普通に活動できるのです。

そのように葛藤して苦しんでいるお子さんを、少しでも早く楽にしてあげたいですよね？

起立性調節障害は、小児科の「新起立試験」という検査で調べる事ができます。ただし、原因の特定まではなかなか難しいのが現状なのです。

病院で原因不明と言っても、私たちがカイロプラクティック、整体の視点で考えると、下記のようなさまざまな原因が思い当たります。

ですが、こういった問題を逐一指摘して、片っ端から改めるという、乱暴なことは、もちろんしません。

なぜなら、不安で、自分が一番苦しいのに理解してもらえないお子さんの心をさらに追い詰めてしまうばかりだからです。

まずは安心して、「よくなるかも」という希望を持った上で進めていくのが大事です。

といっても、思春期で親や教師への反抗心もあったり、親子だからこそ、素直に話ができない、聴けないということもありますよね。

そこで力を発揮するのが、親でも教師でもない第三者であり、医師ともまた違う、整体の施術ができる私たちだと思っています。

子供の「治る力」は大人に増してすごいです。

軽い刺激の施術でも、身体と脳にきっかけを与えてあげることで、どんどん変化していきます。

特に、ストレスが過剰になって、ストレスに対抗するホルモンを 大量に出し続けて疲労している、副腎という内臓へアプローチすることで、 悪循環から抜け出すきっかけになることが多いです。

安心とリラックス、よくなるかもしれない、という希望を持てれば、 気持ちが前向きになります。

気持ちが前向きになると、生活習慣や環境の問題も、無理のないところから、少しづつ変えていく、好循環に向かうことができます。

そして非常に大事なのが、親自身の心身の状態、子供との関わり方だったりするのです。

親の不安やストレス、イライラは子供に投影されます。

親自身が安心して、希望を持って、子供を信じることが大切ですし、場合によっては親子で施術を受けた方が、早くいい方向に向かうこともあります。

今の治療以外にも、何かできることはないか、なるべく薬を使ったりせずに、改善できる方法はないかとお悩みでしたら、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。