
院長:飯田お気軽にご相談ください!
「今日も体育を休んだ」「部活のことをどうしよう」と、毎日頭を抱えていませんか?お子さんが起立性調節障害と診断されてから、体を動かすことへの不安は尽きないものだと思います。無理をさせてまた悪化したら、でも運動しないと体力はどんどん落ちてしまう……。そんなジレンマを抱えている方に、今日はしっかりお伝えしたいことがあります。


実は「動いてはいけない」のではなく、「どう動くか」が大切なんです。症状の重さや体調のリズムを知ったうえで正しく関わることで、体育にも部活にも、ちゃんと前向きな答えは出せます。


この病気のことを知らないまま「根性で乗り越えろ」と言われ続けた子どもたちを、これまで何人も診てきました。必要なのは叱咤激励じゃなく、身体の状態を正確に知って、そこから一緒に戦略を立てること。焦らず、でも諦めずに取り組みましょう
まず大前提として、この病気のことを正しく理解しておくことがとても重要です。「怠け」や「サボり」ではないということを、ご家族だけでなく学校の先生にも知ってもらう必要があります。なぜなら、周囲の誤解が回復の大きな妨げになることが、実際の現場でとても多いからです。
起立性調節障害は、自律神経が血圧や心拍をうまくコントロールできなくなる機能的な不調です。朝、立ち上がった瞬間に脳への血流が一時的に足りなくなるため、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感といった症状があらわれます。
特に厄介なのが、午前中はほとんど動けないのに、夕方以降になると急に元気になるという波のある症状パターンです。「昨日の夜は元気そうだったのに今朝また休んだ」という経験をお持ちの方も多いと思いますが、これはまさにこの病気の特徴で、本人がコントロールできるものではありません。
この症状が中学生から高校生の年代に集中しやすいのには理由があります。急激な身長の伸び、受験のプレッシャー、部活での挫折、人間関係のストレスといった複数の要因が重なり、自律神経のバランスを乱しやすい時期がちょうどこの年代と重なるからです。
さらに、夜更かしやスマートフォンの使いすぎによる睡眠の乱れ、朝食を抜く習慣なども発症や悪化に関係していることが多いです。これ一つが原因、というよりもいくつかの要素が積み重なって限界を超えたときに症状があらわれてくる、と考えていただくとわかりやすいと思います。
「体育はどうすればいいか」という質問は、保護者の方からも当院に通われているご本人からも、本当によく聞かれます。答えはシンプルで、症状の重さと、その日の体調のレベルによって判断することが基本です。一律に「参加してはいけない」とも「参加しなければならない」とも言えないからこそ、基準を持つことが大切なんです。
目安として、以下のような考え方で判断すると整理しやすくなります。
先生への説明に困っているご家庭も多いですよね。診断書を活用しながら「見学が必要な日の基準」を担任の先生や体育教師と事前に共有しておくと、当日の判断がぐっとスムーズになります。成績への影響を心配される声もよく聞きますが、まず体の回復を最優先にすることが、長い目で見れば出席日数や内申点の改善にもつながっていきます。
「部活を続けたいけど、無理させていいのか不安」という声は、本当に多くの保護者の方からお聞きします。結論から言うと、部活を辞めることだけが正解ではありません。子どもにとって部活は単なる運動の場ではなく、仲間との繋がりや居場所であることも多く、辞めることで精神的にさらに落ち込んでしまうケースも少なくないからです。


起立性調節障害の症状は、1日のなかで大きな波があります。朝の時間帯が最も辛く、夕方以降になると体が動きやすくなる方が多いため、「朝練だけ参加を見合わせ、放課後の練習は体調を見ながら参加する」という中間の形が現実的な選択肢になることがあります。
この調整を顧問の先生に相談する際は、「怠けているわけではない」ということを説明できる資料を持参するか、学校の養護教諭に間に入ってもらうと話が進みやすくなります。診断書があればさらに説得力が高まります。
見学や欠席が続くと、体力の低下が気になりますよね。ただ、症状が安定していない段階での無理な運動は逆効果になることもあります。まず取り組めるのは、夕方以降に10〜20分程度のゆっくりした散歩や軽いストレッチです。
体を動かすことで血流が改善し、自律神経にも良い刺激が入るため、できる範囲で毎日続けることに意味があります。「公園まで歩く」「夜の散歩を習慣にする」くらいの軽い内容でも、継続することで確実に体力の土台は維持されていきます。
お子さんの病気について学校と連携することは、回復を進めるうえで非常に大切なステップです。当院でも、医療・家庭・学校の三者が情報を共有して連携できているご家庭は、回復のスピードが明らかに違います。
「朝は血圧が活動レベルまで上がらず、脳への血流が足りない状態になります。これは本人の意志の力でどうにかなるものではありません」という説明が、最も伝わりやすいと感じています。自律神経の働きは、意識でコントロールできる範囲を超えているため、精神論でどうにかなるものではないと伝えることがポイントです。
また、「午後から状態が良くなる」という日内変動のパターンを理解してもらうと、「昨日は夕方に外出できていたのに今日は休んだ」という矛盾にも対応できます。可能であれば定期的に学校に状況報告をするなど、信頼関係を積み重ねていく姿勢が大切です。


以下のような配慮をお願いできる可能性があります。学校の規模や担当者によって対応は異なりますが、まず相談してみることから始めてみてください。
学校を休んでいる日も、体の回復のためにできることはあります。運動量が減れば筋力や心肺機能が落ちるのは当然のことですが、だからといって焦って激しい運動をすることは禁物です。症状が安定していない段階では、体に過度な負荷をかけることで自律神経がさらに乱れ、翌日の体調を崩す引き金になってしまうこともあります。
体調の良い夕方を活用して、以下のような軽い活動から始めてみてください。
大事なのは「やった日はできた」と達成感を持てるくらいの内容にしておくことです。やり過ぎて翌日寝込む、という失敗パターンを繰り返すと自信も失われていきます。まず「毎日少しずつ動ける」という感覚を取り戻すことが、回復への確かな一歩になります。
起立性調節障害の回復には、日常の生活習慣の整備が欠かせません。特に血圧の維持に関わる水分と塩分の摂取は、運動と同じくらい重要です。1日1.5〜2リットル程度の水をこまめに飲み、塩分もしっかりとることで血液量が保たれ、立ちくらみが起きにくくなります。甘いジュースや糖質のとりすぎは血糖値を乱高下させてしまうため、タンパク質や鉄分を含む食事を3食できるだけ規則正しく摂ることが、体のリズムを整えるうえでとても助けになります。
「整体が起立性調節障害に効くの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。当院にはこれまで多くのお子さんと保護者の方がお越しになっていますが、姿勢や骨格のバランスを整えて神経への刺激を改善することで、自律神経の機能が回復しやすい状態を作ることができます。
手技による刺激は神経を通じて脳に届き、脳がリアクションを返すことで全身の機能に変化が起きます。大切なのは「安心・安全を伝える刺激」であり、強い刺激で無理に変化を引き出そうとするのとは根本的に異なるアプローチです。体が本来持っている治る力を引き出すために、この施術は非常に相性が良いと感じています。


「1か月前とは別人のように元気になり、毎日学校に通えるようになりました」「行けるか不安だった修学旅行にも無事参加できました」など、多くの方から嬉しいご報告をいただいています。長く医療機関にかかっていても改善しなかったお子さんが、施術を通じて少しずつ朝起きられるようになり、出席日数が回復して進学できたという事例も複数あります。
どこへ行っても変わらなかったからといって、諦める必要はありません。原因は一つではないからこそ、検査でしっかりと状態を把握してから計画的に取り組むことが、遠回りに見えて最も確実な道です。
ここまでお伝えしてきた内容を整理すると、以下のような考え方が基本になります。
| 状況 | 推奨する対応 |
|---|---|
| 午前中に頭痛・立ちくらみあり | 体育は見学。無理な参加は避ける |
| 症状が比較的安定している日 | 軽い運動から様子を見て参加を検討 |
| 朝練が辛いが放課後は動ける | 朝練のみ免除を顧問に相談する |
| 学校全体を休んでいる日 | 夕方以降に散歩など軽い活動を習慣に |
| 体力低下が気になる | 自宅での軽い体操・足首運動から開始 |
「参加できるかできないか」を白黒で決めようとするより、「今日の体調でどこまでできるか」を基準にする考え方が、お子さんの負担を最小限にしながら回復を進めるうえで大切です。
最後に、私からお伝えしたいことがあります。起立性調節障害は、きちんと向き合えば必ず改善できる症状です。ただ、ご家族だけで抱え込もうとすると、どうしても行き詰まってしまうことが多いです。体育への参加、部活の継続、学校との連携、家での生活習慣……考えることが多くて、心が折れそうになることもありますよね。そんなときは、一人で悩まないでほしいのです。どうかお気軽にご相談ください。お子さんのこれからの学校生活を、一緒に前向きに考えていきましょう。




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