
院長:飯田お気軽にご相談ください!
「立ち上がった瞬間から心臓がバクバクして、なかなか落ち着かない」——そんな症状に不安を感じて、このページにたどり着いてくださった方も多いのではないでしょうか。
動悸というのは、それだけで「何か心臓に悪いことが起きているんじゃないか」と感じてしまうほど、怖い症状のひとつです。特に、起き上がるたびに脈が速くなったり、心臓の鼓動が異様に大きく感じられたりすると、本人も、そばにいる家族も、どうしていいかわからなくなってしまいます。


このページでは、起立性調節障害によって起こる動悸の仕組みと、症状を和らげるためのセルフケア、そして整体がどのように役立つのかをお伝えしていきます。一人で抱え込まず、まずは読んでみてください。


「心臓の病気かもしれない」と不安になって眠れない夜を過ごしているお子さんや保護者の方の気持ちは、私にもよくわかります。でも多くの場合、起立性調節障害による動悸は、心臓そのものではなく自律神経の乱れが原因です——まずそれを知っていただくだけで、少し気持ちがラクになるはずです
起立性調節障害(OD)は、自律神経のバランスが崩れることで、立ち上がった際に全身への血流調節がうまくいかなくなる状態です。健康な状態であれば、立ち上がった瞬間に自律神経が素早く反応し、下半身に溜まりがちな血液を上半身・脳へと送り返します。しかしODでは、この反応が遅れたり、逆にやりすぎたりしてしまうため、様々な症状が現れます。
その中でも「動悸」は、特に保護者や本人を不安にさせる症状のひとつです。立ち上がった後、心臓が急に速く打ち始めたり、自分でも「おかしい」と感じるほど強く鼓動を感じることがあります。
心臓の動きは、自律神経のうち「交感神経」と「副交感神経」がバランスをとりながらコントロールしています。交感神経は心拍数を上げる方向に、副交感神経は落ち着かせる方向に働きます。この二つが絶妙なバランスで動くことで、私たちの心臓は安定したリズムを保っています。
ところが起立性調節障害では、このバランスが崩れています。起立した際に血圧を維持しようとして交感神経が過剰に反応し、心拍数だけが急上昇してしまうのです。これが「起立時に脈が早くなる」「心臓がバクバクする」という感覚の正体です。
ODの中でも、血圧はあまり下がらないのに心拍数だけが急激に上がるタイプを「体位性頻脈症候群(POTS)」と呼びます。POTSでは、立ち上がって数分後に心拍数が毎分35回以上増加するか、毎分115回以上になるケースが多く見られます。めまいや立ちくらみよりも、動悸そのものが主な訴えになりやすいという特徴があります。
このタイプは心臓の病気に見えやすいため、「心電図をとっても異常なし」という結果に家族が余計に混乱してしまうことも少なくありません。でも、異常なしという結果は「危険ではない」というサインでもあります。


動悸が続くと、どうしても「心臓に何か重大な問題があるのでは」と心配になりますよね。実際にお子さんを循環器科や小児科に連れて行かれる親御さんも多いです。もちろん一度は受診して器質的な心疾患を除外することは大切ですが、検査で異常がなかった場合、次に考えるべきはODによる自律神経性の動悸です。
ODの動悸は、心臓の筋肉や弁などに問題があるのではなく、心臓を動かす「指令系統」=自律神経の乱れが原因です。つまり、心臓そのものは健康なのに、指令が過剰になっているために起こる症状といえます。
基本的にODによる動悸は命に関わるものではありませんが、次のような状況では速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
これらは自律神経の乱れだけでは説明がつかない可能性があるため、医師の診断が必要です。それ以外の「立った時だけ脈が速くなる」「動悸がするが安静にすると治まる」というケースは、ODの典型的なパターンです。
ODが発症する背景には、一つではなく複数の要因が絡み合っています。当院にも多くのODのお子さんが来院されていますが、話を聞いてみると「なるほど、そういうことが重なったんだな」とわかる背景が必ずあります。
よくある原因の組み合わせとして、次のようなものがあります。
これらが重なるほど、自律神経の調整力が低下し、起立時に適切な血流コントロールができなくなります。「心当たりが一つもない」という方はほとんどいない、というのが現場での実感です。
ODは中学生を中心に、小学校高学年から高校生にかけて多く見られます。これは思春期の急激な成長が自律神経に大きな負担をかけるからです。身体は急速に大きくなっているのに、自律神経の成熟が追いついていない時期でもあります。
加えて、まじめで責任感が強く、ストレスをため込みやすいタイプの子どもに発症しやすい傾向があります。「もっと頑張らなきゃ」と思っているのに身体がついてこない、という状況がさらにストレスを増やし、症状を悪化させる悪循環になることも多いです。
専門家によるサポートを受けながら、日常生活でもできることを積み重ねていくことが、OD改善の大きな柱になります。動悸を和らげるために特に効果的なセルフケアをご紹介します。
起立時の動悸は、急激な姿勢変換によって引き起こされます。そのため、起き上がり方を工夫するだけで、症状をかなり軽減できることがあります。具体的には、まずベッドの上でゆっくりと上半身を起こして1〜2分座った状態でいる、そこから足をゆっくり床につけてもう1〜2分、立ち上がるのはその後にする、という段階的な起立を習慣にしましょう。
朝の「よいしょっ」という一気の起き上がりが最も血圧・心拍の急変動を招くため、これを変えるだけで朝の動悸が大幅に軽くなるお子さんもいます。
循環血液量が少ないと、心臓は少ない血液を全身に届けようとして心拍数を上げます。これが動悸の一因でもあります。1日1.5〜2リットルの水分と、食事での塩分(必要に応じてスポーツドリンクや経口補水液も活用)をしっかり摂ることで、血液量を維持し、動悸が起こりにくい状態を作ることができます。
ただし、甘いジュースや糖分の多い飲み物は血糖値を急上昇・急降下させてしまい、自律神経の乱れを悪化させる原因にもなります。水か麦茶、薄めのスポーツドリンクが基本です。


起立した際に下半身に血液が溜まりやすいのがODの特徴です。弾性ストッキング(着圧ソックス)を着用することで、下半身の静脈から血液が心臓に戻りやすくなり、心拍数の急上昇を抑えることができます。薬局でも購入できますが、強さの選び方がありますので、かかりつけの医師に相談してみてください。
自律神経は夜の睡眠の質に大きく影響されます。就寝1時間前にはスマホやゲームをオフにして、部屋の照明を落とし、副交感神経が優位になりやすい環境を作ることが大切です。毎日同じ時間に布団に入るだけでも、自律神経のリズムが整ってきます。
ODで動悸や倦怠感が出ている子どもは、自分で「なんで自分だけ、こんな身体なんだろう」と苦しんでいます。学校に行けない自分を責めながら、それでも午後になると少し元気が出てくるという状態は、傍から見ると「やる気の問題」に映ってしまうことがあります。
でも、ODは本人の努力や根性の問題ではありません。自律神経という、意志では動かせない仕組みが乱れているのです。怒鳴ったり責めたりしても、交感神経をさらに刺激するだけで症状が悪化する可能性があります。
保護者の方に最もお願いしたいのは、「この子は身体のコントロールが難しい状態にある」という事実をまず受け入れることです。それだけで、関わり方が変わります。そして関わり方が変わると、お子さんの回復のスピードも変わってきます。
「整体って、骨を矯正するだけでしょ?」と思っていませんか?実は当院の施術は、骨格のバランスを整えることを通じて、神経系—とりわけ自律神経—へのアプローチを非常に重視しています。手技による刺激は神経を通って脳に届き、脳がそれに応答することで全身に変化が起きます。
ODの動悸に対して整体が有効な理由のひとつは、姿勢と自律神経が密接に関わっているからです。猫背や前頭位姿勢(頭が前に出た姿勢)は胸郭を圧迫し、呼吸を浅くします。浅い呼吸は副交感神経の働きを低下させ、交感神経が優位になりやすい状態を作ります。これが結果として心拍数の乱れにつながっていることは、多くの来院事例で確認されています。
当院では自律神経測定器「CondiView」を使い、交感神経と副交感神経それぞれの働きの強さと、そのバランスを数値で見ることができます。「自律神経が乱れている気がするけど、どの程度なのかわからない」という状態に、客観的な答えを出すことができます。
さらに姿勢解析、体組成測定、動作テストなど5種類以上の検査で全身の状態を把握し、お子さん一人ひとりに合ったサポート計画を立てます。「なぜこの子にこの症状が出ているのか」を明確にしてから施術を進めることが、当院のスタイルです。


当院には、ODによる動悸や朝起きられない症状で来院されたお子さんが多数いらっしゃいます。施術を重ねていく中で見られた変化として、「朝バクバクしていた心臓が、起き上がっても落ち着いていられるようになった」「以前は立つと目の前が暗くなりかけていたが、それが起こらなくなった」というものがあります。
なかには施術3〜4回目で朝の動悸がほぼなくなり、修学旅行に参加できたというケースもあります。早めに動き出すほど、回復にかかる時間も短くなります。
その場でできる対処として有効なのは、まず横になることです。床や布団に仰向けになり、下半身を少し高くした姿勢(枕をひざ下に当てるなど)をとると、血液が心臓に戻りやすくなり、心拍数が落ち着いてきます。深くゆっくりとした腹式呼吸(4秒吸って6〜8秒かけて吐く)を繰り返すと、副交感神経が働きやすくなります。
動悸が出ている状態での無理な登校は、症状を悪化させる可能性があります。ただし、「学校に行かなくていい」という結論にするのではなく、出席できるようにするためにどんなサポートが必要かを、学校側と連携しながら考えることが大切です。当院でも、学校との連携に向けたアドバイスをすることがあります。
受けていただけます。当院の施術は薬物療法と並行して行うことができます。むしろ、薬で症状を抑えながら、整体で身体の機能そのものを高めていくという組み合わせは、多くのケースで相乗効果が見られます。服用中のお薬については、初回のカウンセリングの際に詳しく教えていただければ、より適切な対応ができます。
私自身、会社員時代に過労とストレスで自律神経がボロボロになった経験があります。体調がおかしいと思いながら、栄養ドリンクやニンニク注射でごまかして頑張り続け、結果的にもっと深刻な状態になってしまいました。あの時、もっと早く誰かに頼っていれば、と今でも思います。
お子さんの動悸や朝起きられない症状を目の当たりにしながら、どうしていいかわからず毎日を過ごしているご家族の不安は、とても大きいものだと思います。でも、適切なサポートを得ることで、必ず変化は起きます。当院にも「あのとき勇気を出して連絡して、本当によかった」と言っていただけた方が、何人もいらっしゃいます。


「うちの子、もしかしてODかも」「動悸の原因を詳しく調べてほしい」という段階でも、ぜひ気軽にご相談ください。一人で抱え込まず、私たちに声をかけてもらえると嬉しいです。


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