【起立性調節障害】朝低血圧で中3の2学期から学校にいけなくなった

起立性調節障害、低血圧で来院された男性(10代/中学生)の改善事例をご紹介します。

主訴（来院時の症状）

中3の夏休みから朝起きられなくなり、2学期が始まっても学校へ行けない状態が続いている。病院では低血圧、起立性調節障害の疑いで昇圧剤の処方。

来院に至るまでの経緯

中学受験で中高一貫校に入学、ラグビー部でがんばっていたが、中3の1学期期末試験の頃から生活リズムが乱れ始めた。

勉強に集中できず、就寝が深夜や朝方になり、翌朝起きるのが遅くなることが増え、夏休み中の部活も練習強度が強く、疲労が抜けなくなってきた。

夏休み中旬からは、それまで休んだことがなかった部活も行けなくなり、朝は10時過ぎまで起こしても反応がないようになる。

2学期が始まっても改善せず、病院では低血圧、起立性調節障害疑いとのことで昇圧剤を処方。 学校に行けないまま1週間たったところでインターネットで検索して当院へ来院。

検査と所見

カウンセリングと検査による見立ては以下の通り

学校の成績は一定の水準を維持しないと高校への内部進学ができないため、勉強の負担があったのと、部活ではレギュラーになって練習量が増えたことなど、ストレス耐性を超える負荷が蓄積したと考えられる。

自律神経とホルモンバランスの乱れから、朝血圧が上がるのに時間がかかり、夜眠るべき時間帯に眠るためのホルモンが出ないという悪循環に入っている。まずは施術により身体の緊張を解き、自律神経の安定をはかる。

施術内容と経過

自律神経の仕組みを理解して頂き、身体の緊張を緩め、脳に安心安全の信号を送ることに重点を置いた。

初回～8回目/週2回ペース

自律神経やホルモンのしくみ、自分の体に何が起こって今どんな状況なのかを理解してもらい、回復へのイメージを本人、ご家族と共有する。

施術後は体が楽になるのを感じる。起床は11時頃で、活動できるようになるのは午後から。

4回目施術後に久しぶりに午後から登校し、スクールカウンセラーと面談。午後からでもなるべく登校してみることに。

5回目施術後から10時のアラームで自分で目覚め、午前中に動けるようになり、7時～8時に起きられる日も出てきた。夜も寝付きやすくなり、途中目覚めることもなくなってきた。

6回目施術後、2限、3限から行ける日がでてきて、久し振りに部活も出られて気持ちも上向きに。一日活動すると翌日は疲れて一日休むこともあるが、悪化はせず。

9回目～18回目/週1回ペース

7時台に起きて2限から行ける日、10時台に起きて4限から行くか休む日を繰り返す。

部活も無理をしない程度に出て、試合にも何度か出られた。

11月に高校進学のために必須の試験もあり、学校近くのホテルに泊まるなどしてなんとか朝からの試験をこなせた。

19回目～30回目/週1回ペース

2学期の期末試験は無事全教科受けられ、3学期は1限から登校できる日もでてきた。

まだ調子の波はあり、2～3限から行く日や週1回くらいは休む日もあるが、調子のいい日は運動する事も増やせるようになってきた。

31回目～/2週に1回ペース

無事に高校に内部進学できて、高校からは朝6時台に自分で起きて1限から登校するのが普通になった。

朝食もしっかり食べられて、趣味のダンスやギターなど、楽しく生活できている。

高1の秋～冬に生活リズムの乱れから、朝起きられず遅刻、欠席がちになったが、3か月以内には改善し、その後高2も問題なく過ごせた。

高3からは月に1回ペースでメンテナンス通院し、無事志望の大学に入学、現在も大学生活を楽しめている。

院長からのコメント

初回ご来院時は、高校進学のかかった状態で急に体が思うように動かなくなり、ご本人、ご家族とも焦りや不安で混乱されていたのを思い出します。

回復に合わせたセルフケアに加え、休む時は思い切って休むこと、ご家族も辛抱強く見守ることなど、前向きに取り組まれて、無事に進学できたと伺ったときは私も嬉しく、ほっとしました。

高校から大学にかけて、楽しく積極的に過ごされている姿をみて、こちらもエネルギーを頂いています。

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