
院長:飯田お気軽にご相談ください!
毎朝、何度声をかけても起きられないわが子を見ながら、「もしかして怠けているだけ?」「自分の育て方が悪かったのかな…」と自分を責めながら一人で抱え込んでいるお母さん、お父さんはいませんか。
そのお気持ち、とてもよく理解できます。当院には、起立性調節障害のお子さんを持つ保護者の方が、毎月のようにご相談にいらっしゃいます。


今回は、日々の施術の中で保護者の方から繰り返し聞かれる「家庭でどう関わればいいのか」「どんな声をかけるべきか」というテーマについて、できるだけ具体的にお伝えしていきます。


起立性調節障害のお子さんへの関わり方で悩まれている保護者の方は本当に多いです。今日の記事が、少しでも気持ちをラクにするきっかけになれば嬉しいです
起立性調節障害の子どもを持つ保護者の方と話していると、多くの方が「自分の育て方が悪かったのでは」という罪悪感を抱えていることに気づきます。過保護だったか、逆に放任しすぎたか、仕事が忙しすぎたか——そうやって、どこかに「原因としての自分」を見つけようとしてしまう。
はっきりお伝えします。起立性調節障害は、ご家族の育て方や関わり方が原因で起きるものではありません。
これは身体の機能の問題です。急激な成長による栄養消費、自律神経の調整機能の未発達、学校や人間関係のストレス——こうした複数の要因が重なって、血圧や睡眠リズムのコントロールがうまくいかなくなる状態です。特に責任感が強くまじめな子どもに多いとも言われており、むしろ一生懸命に生きてきた証とも言えます。
まず「自分のせいかもしれない」という重荷を少し下ろすことが、これからの関わり方を変えていく第一歩になります。
家庭でのサポートの中で、最も悩む場面のひとつが「朝の起こし方」ではないでしょうか。毎朝声をかけても反応がなく、感情的になってしまったり、逆に何もできずに見守るだけになってしまったり——どちらも辛い状況です。
善意から出た言葉でも、かえってお子さんを深く傷つけてしまう声かけがあります。起きたくても起きられない状態は、本人にとっても相当つらいものです。そこに追い打ちをかけてしまうと、回復へのモチベーションを奪うことになりかねません。
これらは、お子さんを発奮させるどころか、「自分はダメな人間だ」という自己否定を強めてしまいます。自律神経の働きは意志の力よりも強く、同じ状態なら大人でも抗うことは難しいのです。
朝の声かけで大切なのは、「正しい情報を穏やかに届けること」です。感情的にならず、淡々と、しかし温かく接することが、お子さんの安心感につながります。
決して劇的な変化は起きません。でも、この積み重ねが「家は安全な場所だ」という感覚を育て、回復への土台になっていきます。
声かけと同じくらい重要なのが、家庭全体の環境づくりです。起立性調節障害の回復には、生活リズムと栄養状態の安定が欠かせません。特別なことではなく、「毎日の小さな習慣」が積み重なることで、自律神経の働きが少しずつ戻ってきます。
起立性調節障害では、血圧を保つための水分と塩分が慢性的に不足していることが多いです。1日1.5〜2リットル程度の水を、こまめに飲む習慣をつけることが基本になります。「飲みなさい」と押しつけるより、目に見えるところにコップや水筒を置いておくなど、自然に手が届く環境を作ることがポイントです。


「学校を休んだのに夜は元気そう」というギャップに、複雑な気持ちを抱えている保護者の方は多いと思います。ですが、夕方や夜に体が動くようであれば、積極的に外へ出して体を動かすことが望ましいです。体力の維持と、夜の睡眠の質を上げるために、近所を少し散歩するだけでも違います。「学校を休んでいるのに外に出てもいいのか」と遠慮しなくて大丈夫です。
血糖値を安定させることも、自律神経の働きを整えるうえで非常に重要です。朝ごはんを抜いたり、甘い飲み物やお菓子で空腹をごまかすと、血糖値が乱高下して症状が悪化することがあります。タンパク質や鉄分をしっかり含んだ食事を、できる範囲で準備してあげてください。
ここまで「お子さんへの関わり方」を中心にお伝えしてきましたが、実は忘れてほしくないのが「保護者自身のこと」です。お子さんのサポートを続けながら、家事や仕事、周囲からの心ない言葉——全部を抱えていたら、誰だって消耗します。
お子さんの回復を後押しできる最大の存在は、ゆとりを持った親御さんです。あなたが疲弊していては、穏やかな声かけも環境づくりも、続けることができません。
「サボっているんじゃないか」という疑念が頭をよぎることがあっても、正直に感じていい。「いつまで続くんだろう」と先が見えなくて不安になっても、それは当然の感情です。一人でそれを抱え込まないでほしいのです。
| よくある思い込み | 実際のこと |
|---|---|
| 「自分がしっかりしなければ」 | 支援者も助けを求めていい |
| 「他の子はできているのに」 | 中高生の約10%が経験する、珍しくない状態 |
| 「親の関わり方が悪かった」 | 身体機能の問題であり、育て方とは別の話 |
| 「自分で回復させなければ」 | 専門家の力を借りることが回復を早める |
家庭でできることには限りがあります。それは能力の問題ではなく、構造的な話です。毎日顔を合わせるご家族だからこそ、どうしても感情が入る。少し回復してきたと思えば期待し、また調子が悪い日が続けば落胆する——その繰り返しに疲れるのは、それだけお子さんのことを真剣に考えているからです。
当院では、起立性調節障害のお子さんに対して、姿勢分析・自律神経測定・体組成測定など5種類以上の検査を組み合わせて、一人ひとりの状態を丁寧に把握した上で施術を進めています。病院での薬物療法とは異なるアプローチで、骨格や神経のバランスを整えながら、身体が本来持っている回復力を引き出していきます。
「整体で起立性調節障害が良くなるの?」と思われる方もいるかもしれません。起立性調節障害の根本には自律神経の乱れがあり、自律神経の働きは背骨や骨盤のバランス、呼吸の深さ、筋肉の緊張状態などと深くつながっています。姿勢が崩れ、呼吸が浅い状態が続くだけで、自律神経への負担は積み重なっていきます。


手技による刺激が神経を通って脳へ届き、脳がリアクションを返すことで身体全体に変化が起きます。当院が大切にしているのは「安心・安全を伝える刺激」であり、痛みを伴わないやさしいアプローチが特長です。施術後に「身体が軽い」「肩の力が抜けた感じがする」とおっしゃるお子さんの様子を見て、泣いてしまう保護者の方もいらっしゃいます。
当院で施術を受けたお子さんには、こんな変化が見られています。「朝起き上がれるまでの時間が少しずつ早くなった」「登校できる日が週に1日、2日と増えていった」「体が楽になると同時に、表情が明るくなってきた」——こうした回復は、一夜にして起きるものではありませんが、確かに積み重なっていきます。
起立性調節障害の回復には時間がかかります。それは事実です。でも、「必ず良くなる」という事実もあります。発症後1年で約半数が改善傾向となり、2〜3年以内に多くのお子さんが回復に向かうというデータもあります。
その過程でご家族にできる最も重要なことは、「この子はいずれ必ずよくなる」と信じながら、怒らず、焦らず、淡々と関わり続けることです。それは決して「何もしない」ことではなく、長期戦を戦うための最も賢い戦略でもあります。
一人で解決しようとしなくていい。それが私からの一番のメッセージです。当院には「もっと早く来ればよかった」とおっしゃる保護者の方が多くいます。なんとかしたいという気持ちがあるなら、その気持ちのまま、ぜひ一度ご相談ください。お子さんのこと、一緒に考えましょう。


遠方にお住まいなどの理由で当院にお越しになるのが難しい場合は、こちらのページもご覧になってみてください。

