
院長:飯田お気軽にご相談ください!
「朝になると子どもが起きられない。でもなぜかお昼を過ぎると動けるようになる…」そんなお子さんの様子に首をかしげていませんか?もしかしたらそれは、起立性調節障害のサインかもしれません。中学生の子どもを持つ親御さんから、「いつ頃からこんなに多くなったの?」「うちだけじゃないの?」という声をよく聞きます。


日本小児科学会の調査では、中高生の約10人に1人がこの症状を持つと言われています。決して珍しい病気ではないのですが、まだまだ認知が広がっていないのが現状です。
この記事では、なぜ特に中学生の時期に発症が集中するのか、その医学的な背景をできるだけわかりやすくお伝えしていきます。「怠けじゃないのかな」「育て方が悪かったのかな」と自分を責めているお父さん・お母さんに、ぜひ読んでいただきたい内容です。


中学生になった途端に朝起きられなくなった、というご相談が本当に増えています。この時期に集中する理由はちゃんとあって、お子さんもご家族も悪くないんです。今日はそのことをしっかりお伝えできたらと思います
「なぜ大人ではなく中学生に多いのか」という疑問、実はここに起立性調節障害を理解するうえで最も大切なヒントが隠れています。この時期の身体では、成長を支えるためにさまざまなシステムが急ピッチで変化しており、そのひずみが自律神経の不安定さとして表れやすいのです。
中学生の時期は、第二次性徴が始まり、身長が短期間でぐんと伸びます。半年で5センチ、10センチという急成長も珍しくありません。
ところが、身体の「大きさ」は急に変わっても、それをコントロールする自律神経の発達はすぐには追いつきません。心臓のポンプ機能が血圧を全身に届けるには、ある程度の神経系の成熟が必要です。成長が急すぎると、この調整が間に合わなくなってしまうのです。
身体が大きくなるスピードに自律神経の発達が追いつかない、この「ズレ」こそが、思春期に起立性調節障害が集中する最も根本的な理由です。
思春期には成長ホルモンの分泌が急増します。成長ホルモンは骨や筋肉を作るために大量の栄養を消費するため、身体全体がエネルギー不足に傾きやすくなります。
自律神経はエネルギーの供給状態に非常に敏感です。栄養不足や睡眠不足が続くと、血管を収縮させたり拡張させたりする調整能力がガタつき始めます。
特に「立ち上がったとき」は、重力に逆らって血液を上半身へ送り出す必要があるため、自律神経への負担が集中します。朝に症状が出やすいのも、夜に横になっていた身体が急に起き上がる動作で、この調整が追いつかないからです。


男女ともに思春期には、性ホルモンの急激な変動が起こります。このホルモンの波が、自律神経のバランスを乱す一因にもなります。
女子の場合は初潮前後、男子は声変わりや体格が変わってくる時期がひとつの転換点になりやすいです。「背が急に伸びた直後から調子が悪くなった」「初潮が来てから朝が起きられなくなった」というパターンは、現場でもとてもよく見られます。
これらはすべて、本人の意志や努力とは関係のない「身体の生理的な変化」によるものです。
起立性調節障害のお子さんの多くは、責任感が強く、まじめで、本来であれば誰よりも学校へ行きたいと思っています。それなのに身体がいうことをきいてくれない、という状況に自分自身も深く傷ついています。そういったお子さんに必要なのは、叱咤激励ではなく、この症状の仕組みを周りの大人が正確に理解することです。
「夜になると急に元気になるのはなぜ?」と不思議に思われる親御さんも多いです。これは気分の問題ではなく、自律神経の特性によるものです。
昼夜のリズムを管理する自律神経は、夕方から夜にかけて「副交感神経」が優位になり、身体をリラックスさせる方向に働きます。起立性調節障害では、この夜の「副交感優位の状態」がさらに強く出てしまい、そのまま夜更かしへとつながります。
逆に朝は、本来なら「交感神経」が徐々に高まり身体を活動モードに切り替えるべきところが、その切り替えがうまく機能しない。だから「起きたくても起きられない」という状態が生まれるのです。
特定の性格や家庭環境だけが原因とは言い切れませんが、次のような状況が重なると発症しやすいと感じています。
これらは「その子のせい」ではなく、現代の中学生が置かれた環境ではごく自然に起こりうる状況です。複数の要因が積み重なったとき、身体の持つ回復力の限界を超えてしまうのです。
起立性調節障害の症状は「朝起きられない」だけではありません。自律神経は全身の臓器をコントロールしているため、その乱れが様々な形で表れます。症状の種類が多く、他の病気と見分けにくいことが診断の遅れにつながることもあります。
| 時間帯 | 主な症状 |
|---|---|
| 朝〜午前中 | 起き上がれない、頭痛、めまい、立ちくらみ、腹痛、吐き気、倦怠感 |
| 午後〜夕方 | 徐々に体調が戻る、動ける時間が増えてくる |
| 夜 | 元気になる、寝つけない、眠りが浅い |
| 通年 | 動悸、疲れやすさ、集中力の低下、気分の落ち込み |
この症状の波があるために、「サボりたい日だけ体調が悪くなる」「行事には参加できるのに学校は休む」と誤解されやすいのです。
朝のだるさや気分の落ち込みが続くため、うつ病と混同されることがあります。大きな違いは、起立性調節障害では午後から夜にかけて気分と体調が回復するという点です。うつ病は一日を通じて気分の落ち込みが続く傾向があります。


ただし、起立性調節障害が長引くことで二次的に精神的な落ち込みが生じるケースもあるため、早めの対応が大切です。
「病院では薬を出してもらったけれど、なかなかよくならなくて…」というご相談を本当によく受けます。薬物療法や生活習慣指導は大切な対処ですが、それだけで根本的に解決できないケースも少なくありません。それはなぜでしょうか。
起立性調節障害の原因は一つではありません。成長期の急激な身体変化が主因の子もいれば、ストレスが大きな比重を占める子、食生活の乱れや姿勢の悪さが積み重なっている子など、本当に様々です。
原因を特定せずに同じ治療を当てはめても、改善の道筋はそれぞれ異なります。だからこそ、一人ひとりの身体の状態をしっかり検査で可視化することが、回復への近道になります。
姿勢の崩れや骨格のバランスの乱れは、神経伝達や血流に影響を及ぼします。猫背や骨盤の歪みが続くと、呼吸が浅くなり、自律神経の働きをさらに妨げることがあります。
スマートフォンやタブレットを長時間使う生活の中で、姿勢の問題を抱えている中学生は非常に多いです。「身体の構造そのものを整える」というアプローチが、薬ではカバーしきれない部分に届くことがあります。
当院には、病院で診断を受けて薬を飲んでいるけれど改善しない、あるいはなかなか病名がつかず「気のせいでは」と言われ続けてきたという方が多く来院されています。15年以上の施術経験の中で、起立性調節障害のサポートに関わってきた症例は数多く、一人ひとりの状態に合わせたアプローチを積み重ねてきました。
姿勢解析、自律神経測定、体組成測定、動作テスト、圧痛テストなど、複数の検査を組み合わせて身体の全体像を把握します。「どこに問題があるのか」「何が重なって今の状態になっているのか」を数値と検査データで可視化し、お子さんにも親御さんにもわかりやすくご説明します。


検査なしに施術を始めても、原因が特定できないまま手探りになってしまいます。当院では初回のカウンセリングと検査に十分な時間をかけ、サポート計画を書面でお渡ししています。
手技による刺激は神経を通じて脳に届き、脳が反応することで身体に変化が起きます。強い刺激よりも、身体に「安心・安全」を伝えるやさしい刺激こそが、自律神経のバランスを整えるうえで重要です。当院の施術は、この原理をもとに高い改善率と定着率を実現しています。
施術者が毎回変わると、検査結果や改善へのビジョンが引き継がれず、施術の積み重ねが活かされにくくなります。当院では院長・副院長を中心に、担当者が変わらずお子さんの状態を継続的に把握しながらサポートします。些細な変化も見逃さず、計画を柔軟に調整していけるのが、専属担当制の大きなメリットです。
「本当によくなるのかな」という不安はとてもよく理解できます。ここでは、当院で施術を受けられたお子さんや親御さんからいただいた変化の一部をご紹介します。
中学1年の夏頃から頭痛がひどく、複数の病院を回りましたが改善せず、藁にもすがる気持ちでいらっしゃいました。施術を続けるうちに徐々に朝の体調が安定し、今では学校を休まず通えるようになっています。(10代・男性・中学生)
夏休み明けから不登校になり、心療内科での漢方薬も効果がなく、欠席と遅刻を繰り返していたお子さん。丁寧なカウンセリングと施術を重ねながら自宅でのケアも続けたところ、1か月ほどで毎日学校に通えるようになりました。(10代・女性・高校生)


中3の夏休みから朝起きられなくなり、2学期も学校へ行けない日が続きました。病院の昇圧剤では改善せず当院へ。施術を続けることで徐々に回復し、進学を無事に果たすことができました。(10代・男性・中学生)
「どう接したらいいのかわからない」という声も多いです。まず大前提として覚えておいてほしいのは、お子さんは「起きたくて起きていない」のではなく「起きたくても起きられない」という状態にあるということです。その認識を持つだけで、接し方がずいぶん変わります。
毎朝の声かけは、怒鳴ったり布団をはがしたりするのではなく、カーテンを開けて光を入れ、時間を伝えてあげるだけでOKです。反応がなければまた30分後に、というペースで淡々と続けましょう。お子さんの心に余計な傷をつけないことが、回復の土台を守ることにつながります。
夕方や夜に動けるようであれば、外出して気分転換することをためらわないでください。体力を維持することと、夜の睡眠の質を高めることの両方に、活動することが役立ちます。「学校を休んだのに外出していいの?」と悩む親御さんも多いですが、回復のためにはむしろ積極的に動ける時間を活かしてほしいと思います。
1日1.5〜2リットル程度の水分補給と、しっかりした塩分摂取は血圧の安定に直結します。加えて、たんぱく質と鉄分を食事からしっかり摂ることが自律神経の回復を支えます。甘いジュースやお菓子による血糖値の急上昇・急降下は症状を悪化させやすいため、できるだけ避けるのがおすすめです。


起立性調節障害について、診察室ではなかなか聞きにくい疑問を持っている方も多いです。ここでよく聞かれることをまとめておきます。
発症後1年で約半数、2〜3年で約80%のお子さんが改善傾向に向かうと言われています。ただし、その間の不登校や学力の遅れ、精神的なダメージは小さくありません。大切な学生時代を少しでも前向きに過ごせるよう、早めに取り組むことをおすすめします。
はっきりとした環境的なストレスが思い当たらない場合、急激な成長が主な引き金になっていることは非常によくあります。成長に伴う栄養消費が睡眠や食事で補えていないと、自律神経の調整力が低下しやすくなります。
起立性調節障害の場合、午後から夜にかけて気分と体調が回復します。うつ病では一日中気分が落ち込んでいることが多いため、この「時間帯による差」がひとつの目安になります。ただし確定診断は医療機関で行うものですので、疑いがあれば早めに小児科を受診してください。
今、お子さんの状態を前にして、どう動けばいいのか途方に暮れている方もいるかもしれません。私自身、会社員時代に心身の不調を抱えながら一人でなんとかしようとして、どんどん悪化させてしまった経験があります。あのとき誰かに相談していれば、もっと早く楽になれたのに、と今でも思います。


起立性調節障害は、本人もご家族も悪くありません。そしてちゃんとアプローチすれば、必ずよくなっていく症状です。一人で抱え込まずに、私たちにいつでも気軽に声をかけてみてください。あなたのお子さんの「こうなりたい」を叶えるために、一緒に考えさせてください。


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