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腕を上げようとすると肩に痛みが走る。洋服を着替えるときに患側の袖が通しにくい。夜中に肩の痛みで目が覚める。こうした症状が続いている方の中には、「ためしてガッテンで紹介されたストレッチを試してみようかな」と考えている方もいるのではないでしょうか。
旗の台整体院の飯田です。この記事では、ためしてガッテンで取り上げられた四十肩・五十肩の治し方を院長の立場から率直に評価し、自宅でケアできる状態とそうでない状態の分かれ目についてお伝えします。
症状の全体像から確認したい方は、四十肩・五十肩の症状ページもあわせてご覧ください。この記事では、検索で多く寄せられる疑問を中心に、具体的なポイントから順にお伝えします。




どんな体操をどれくらいするといいか、今の状態から確認しましょう
NHKのためしてガッテンでは、2005年と2014年の2回にわたって四十肩・五十肩が特集されました。
2014年2月放送の回では「長引く肩の痛みに喝!」というテーマで、肩関節周囲炎の見分け方と肩甲骨を使ったストレッチが紹介されています。番組の核心は、肩関節そのものを無理に動かすのではなく、肩甲骨を動かすことで周辺の筋肉の柔軟性を保つというアプローチにありました。放送直後は当院でも「番組の内容を試してよいか」という質問を多くいただきました。
2005年放送の回では、「ひじまる体操」が紹介されました。肩に手を置いてひじをゆっくり回すシンプルな体操で、肩甲骨まわりの筋肉を無理なく動かすことを目的としています。どちらの回も、痛みをこらえて肩を強引に動かすのではなく、負担を減らしながら可動域を維持するという方向性は共通しています。
まず確認しておきたいのは、四十肩と五十肩は別の病気ではないということです。
正式名称は「肩関節周囲炎」。40代で発症すれば四十肩、50代で発症すれば五十肩と呼ばれるだけで、状態や治し方に本質的な違いはありません。ためしてガッテン流の四十肩の治し方として紹介されているものも、五十肩のアプローチとまったく同じ考え方が当てはまります。「自分は四十肩だから違う方法が必要なのでは」と心配する必要はありません。
ためしてガッテンでも強調されていたのが、五十肩には「自然に治るタイプ」と「放置すると悪化するタイプ」があるという点です。
多くの四十肩・五十肩は、適切なケアと時間の経過とともに改善していくとされています。ただし「自然に治る」といっても、何もしなければ関節が固まりやすくなるため、時期に合ったケアは欠かせません。
番組内で「終身型五十肩」として紹介されたのが、腱板という肩の組織の損傷が原因のタイプです。放置すると痛みが増し、場合によっては手術が必要になるとされています。簡易的な見分け方として、「自分では腕を上げられないが、他の人が支えると動く」場合は一般的な肩関節周囲炎の可能性が高く、「他人が支えても力が入らない・腕を保持できない」場合は腱板の損傷が疑われます。痛みが強く、セルフケアで変化が出ない場合は整形外科での確認をお勧めします。
自分のタイプを正確に判断するのは難しいため、症状が数週間以上続いている場合は一度専門家に状態を確認してもらうのが安心です。腱板断裂かどうかはMRIなどの画像検査が必要になることもあります。


ためしてガッテンで紹介されたストレッチは、すべての時期にそのまま当てはまるわけではありません。
発症から数週間の急性期は、肩の炎症がもっとも強い時期です。夜間痛が出やすく、じっとしていても肩が痛む状態が続きます。この時期に無理にストレッチを行うと炎症が強まる可能性があるため、患部を冷やして安静を保つことが優先されます。
夜間痛が落ち着き、じっとしていれば比較的楽という状態になったら、肩甲骨まわりを中心にゆっくり動かし始めるタイミングです。ためしてガッテンの肩甲骨ストレッチや「ひじまる体操」が有効とされるのは、この慢性期以降が中心です。ただし、痛みをこらえて強く伸ばすのではなく、「ちょっと伸びているな」と感じる範囲で止めるのが基本です。
急性期が終わっても関節を全く動かさないでいると、関節を包む膜が癒着して動かしにくくなる「凍結肩」に移行することがあります。時期を見ながら少しずつ動かすことが、回復を早めるために大切です。
四十肩・五十肩の痛みは、特定の動作に集中して出ることが多くあります。
洋服の着替えや、高いところへ手を伸ばす動作で強く痛みが出る場合、痛くない側の腕から先に袖を通す、棚の高さを一時的に下げるといった生活上の工夫でも負担を減らせます。家事の中では、洗濯物を干す動作や布団を持ち上げる動作も肩に負担がかかりやすい場面です。正直に言うと、こうした日常動作での負担の積み重ねがなかなか改善しない原因になっていることも少なくありません。
入浴時に患部をゆっくり温めると、その後の動きがやわらぐことがあります。ただし急性期で夜間痛が強い時期は、温めることで炎症が増す場合があるため、まず冷やして様子をみることが先です。
セルフケアで対応できることの範囲と、医療機関や専門施術に任せるべき状態をはっきりさせておきましょう。
自宅ケアの範囲として有効とされるのは、慢性期以降の肩甲骨ストレッチ、入浴での温め、日常動作の工夫などです。一方、次のような状態は自己判断でのケアを続けるのではなく、専門家に状態を確認してもらった方がよいでしょう。
セルフケアと専門施術は対立するものではなく、役割が異なります。自宅でできることを続けながら、変化が出にくい場合や状態の判断が難しいときは専門家の目を借りることが、回復を早めることにつながります。
整体院では医療処置は行いませんが、肩まわりの筋肉の緊張や肩甲骨の動き、姿勢や体の使い方の癖を確認することができます。
四十肩・五十肩では、肩関節そのものだけでなく、肩甲骨の動きの悪さや首・背中の緊張が症状に関わっていることがあります。痛む側をかばい続けることで姿勢が変わり、痛みが長引くという悪循環も起こりやすい状態です。施術では、こうした体全体のバランスを確認しながら、肩に余分な負担がかかりにくい状態を目指します。


四十肩・五十肩は、時期に合ったケアをするかどうかで回復の経過が変わります。ためしてガッテンで紹介された肩甲骨ストレッチは、慢性期以降の適切なタイミングで行えば参考になる方法です。ただし「今の自分がどの時期にいるか」「自然に回復するタイプかどうか」を判断することが先決です。
まず今日から確認できることとして、安静時の痛みの有無と夜間痛の程度を確かめてみてください。夜間痛がおさまっているなら、お風呂上がりにひじをゆっくり回すところから始めてみましょう。痛みを我慢して強く動かすのではなく、「ちょうど動かせる範囲の少し手前」で止めることが大切です。
痛む側の肩まわりだけでなく、体の使い方や姿勢の癖も含めて状態を確認したい方は、旗の台整体院へお気軽にご相談ください。

