
院長:飯田お気軽にご相談ください!
夜ベッドに入ってもなかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚めてしまう、そんな不眠症の悩みを抱えている方は本当に多いですよね。薬に頼る前に何か自分でできることはないかと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのが運動ではないでしょうか。
実際に運動は不眠症の改善に非常に効果的だということが、近年の研究で次々と明らかになっています。ただし、やみくもに体を動かせば良いわけではなく、運動の種類やタイミング、強度によっては逆に眠れなくなってしまうこともあるため注意が必要です。


今回は不眠症でお悩みの方に向けて、どんな運動がどのくらい効果的なのか、いつ行うのがベストなのか、そして運動する際の注意点まで、当院での施術経験も交えながら詳しくお伝えしていきます。


運動は自律神経を整える最もシンプルで効果的な方法のひとつです
運動が不眠症の改善に効果を発揮する理由は、大きく分けて3つのメカニズムがあります。まず第一に、運動によって体温が一時的に上昇し、その後ゆっくりと下がっていく過程で自然な眠気が訪れるという体温調節の働きです。人間の体は深部体温が下がるときに眠気を感じる仕組みになっているため、運動後の体温低下が質の高い睡眠を導いてくれます。
第二に、運動は自律神経のバランスを整える効果があります。日中に適度な運動をすることで交感神経が活性化され、夜になると副交感神経が優位になりやすくなり、自然なリズムで睡眠モードに切り替わることができます。当院に来られる不眠症の方の多くは自律神経測定器で測ると交感神経と副交感神経のバランスが乱れていることが多く、運動習慣を取り入れることで改善されるケースをたくさん見てきました。
第三に、運動はストレスホルモンであるコルチゾールを減少させ、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促進します。セロトニンは夜になるとメラトニンという睡眠ホルモンに変わるため、日中に運動をしてセロトニンをしっかり分泌させておくことが、夜の良質な睡眠につながるのです。
不眠症の改善に最も効果的な運動として、最近の研究で注目されているのが筋力トレーニングです。高齢者を対象にした研究では、有酸素運動よりも筋トレの方が睡眠の質を大きく改善したという結果が報告されています。筋トレは成長ホルモンの分泌を促し、深い睡眠を得やすくなるだけでなく、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、疲労感を適度に感じることができるようになります。


ただし、運動習慣がない方や体力に自信がない方にとって、いきなり筋トレを始めるのはハードルが高いかもしれません。そういった方にはヨガや太極拳などの低強度の運動がおすすめです。これらの運動は筋肉を緩やかに動かしながら深い呼吸を促すため、自律神経を整える効果が高く、リラックス状態を作りやすいという特徴があります。
ウォーキングやジョギングといった有酸素運動も、不眠症の改善には効果的です。特にウォーキングは誰でも手軽に始められて、膝や腰への負担も少ないため、幅広い年代の方におすすめできます。朝日を浴びながら歩くことで体内時計がリセットされ、夜になると自然に眠気が訪れるようになります。
大切なのは、自分の体力レベルや生活スタイルに合った運動を選ぶことです。続けられなければ意味がありませんし、無理をして体を痛めてしまっては本末転倒ですから、まずは気軽に取り組める運動から始めてみてください。
30代から40代の働き盛りの方には、仕事帰りのジムでの筋トレやランニングが向いています。ストレス解消にもなりますし、短時間で効率的に体を動かせるため忙しい方でも続けやすいでしょう。50代から60代の方には、ヨガやピラティス、水中ウォーキングなど、関節への負担が少ない運動がおすすめです。
70代以上の高齢者の方は、転倒のリスクを避けながら筋力を維持することが重要なので、椅子に座ってできる筋トレや、太極拳のようなゆっくりとした動きの運動が適しています。当院でも高齢の患者さんには、自宅でできる簡単なストレッチや筋トレをお伝えして、実践していただくことで睡眠の質が向上したという声をたくさんいただいています。
運動をする時間帯は、不眠症の改善において非常に重要なポイントです。一般的に最も効果的とされているのは、就寝の3時間から4時間前の夕方から夜の早い時間帯です。この時間帯に運動をすると、ちょうど寝る頃に体温が下がり始めて自然な眠気が訪れるため、スムーズに入眠できるようになります。
朝の運動も不眠症には効果的です。朝日を浴びながら体を動かすことで体内時計がリセットされ、一日の活動モードに入ることができます。そして夜になると自然に眠気が訪れるという理想的なリズムが作られます。朝のウォーキングやジョギングは、特に早朝覚醒で悩んでいる方におすすめです。


逆に避けたいのが、就寝直前の激しい運動です。寝る1時間から2時間前に強度の高い運動をしてしまうと、交感神経が興奮状態になり、体温も上がったままで寝付きにくくなってしまいます。夜遅い時間に運動をする場合は、ストレッチやヨガのような穏やかな運動にとどめておくのが賢明です。
仕事の都合でどうしても夜しか運動する時間が取れないという方も多いと思います。その場合は、帰宅後すぐに軽めの運動をして、その後夕食やお風呂の時間を挟むことで、就寝時には適度に体温が下がるように調整してみてください。週末だけでも朝や夕方に運動する時間を作ることで、体内時計が整いやすくなります。
運動の強度は、息が少し上がる程度の中等度が理想的です。会話ができるけれど歌を歌うのは難しいくらいの強度と考えるとわかりやすいでしょう。あまりに軽すぎる運動では効果が薄く、逆に激しすぎる運動は体に負担をかけてしまい、かえって眠りを妨げることもあります。
運動時間は1回につき30分から60分程度が目安です。これを週に3回から5回程度行うのが理想的ですが、最初は週2回から始めて徐々に増やしていくのが無理なく続けるコツです。毎日頑張りすぎて燃え尽きてしまうよりも、長く続けられるペースを見つけることの方が大切だと、当院でもいつもお伝えしています。
運動を始めてすぐに劇的な変化が現れるわけではなく、効果を実感できるまでには少なくとも2週間から4週間ほどかかります。すぐに結果が出ないからといって諦めずに、コツコツと続けることが何よりも重要です。当院に通われている方々でも、運動習慣を取り入れて3週間ほどで寝つきが良くなったと実感される方が多いです。
運動が不眠症に効果的だからといって、やみくもに体を動かせば良いわけではありません。まず注意していただきたいのが、就寝直前の激しい運動は避けるということです。先ほども触れましたが、寝る直前に強度の高い運動をすると交感神経が高ぶってしまい、かえって眠れなくなってしまいます。
また、普段運動習慣がない方がいきなり激しい運動を始めると、筋肉痛や怪我のリスクが高まります。最初は軽いウォーキングやストレッチから始めて、体が慣れてきたら少しずつ強度を上げていくようにしましょう。特に高齢の方は転倒のリスクもありますので、無理のない範囲で安全に行うことが大前提です。


運動後の水分補給も忘れずに行ってください。脱水状態になると睡眠の質が低下してしまいます。ただし、寝る直前に大量の水を飲むと夜中にトイレで目が覚める原因になるので、運動直後にしっかり水分を摂り、就寝前は控えめにするのがポイントです。
風邪を引いているときや体調が優れないときは、無理に運動をせずに休養を優先してください。疲労が溜まっているときに運動をすると、かえって自律神経のバランスを崩してしまうこともあります。自分の体の声に耳を傾けながら、調子が良いときに運動を楽しむという姿勢が長続きの秘訣です。
ここまで運動と不眠症の関係についてお伝えしてきましたが、実は運動習慣を取り入れるだけでは改善が難しい不眠症もあります。当院に来られる患者さんの中にも、毎日運動しているのに眠れないという方が少なくありません。そういった方を検査してみると、首や肩周りの筋肉が極度に緊張していたり、自律神経のバランスが大きく乱れていることが多いのです。
慢性的なストレスや長年の姿勢の悪さ、過去の怪我などが原因で体に深い緊張が残っていると、いくら運動をしても体がリラックスモードに入れず、質の良い睡眠が得られないことがあります。また、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群など、他の睡眠障害が隠れている可能性もあります。
運動を続けているのになかなか不眠症が改善しないという方は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。当院では自律神経測定器で数値として状態を把握し、全身のバランスを整える施術を行うことで、運動の効果をさらに高めるサポートをしています。体の土台が整えば、運動の効果も格段に上がりますし、自然と眠れる体に変わっていきます。


不眠症は放っておくと心身の健康に大きな影響を及ぼします。運動を取り入れることは素晴らしい第一歩ですが、それでも改善しない場合は一人で悩まずに、ぜひ私たちにご相談ください。あなたの不眠症の本当の原因を見つけ出し、質の良い睡眠を取り戻すための最善のサポートをさせていただきます。旗の台整体院で、ぐっすり眠れる毎日を一緒に取り戻しましょう。


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